ブラックカイトの日経225先物で夢を叶える

日経225先物専業トレーダー
日々の戦略と結果を配信致します
日経225先物の無料ブログです

裁量の意味②

頂いたメールを自分の保存用にブログに収録します


『裁量トレードとは?』


と問われて、みなさんはどう答えるでしょう?


~~~~~~~~~~~~~~~~~~(回答例)
(エントリー前)
その時々の相場状況から、利益に繋がる可能性が高い
タイミングと方向を選び、エントリーする事。


(エントリー後)
相場の状況を考慮し、含み益が増大する可能性が高い
と判断した場合はポジションをキープし、含み益が減
少する可能性が高いと判断した場合は、速やかに手仕
舞う。


損切りについては、エントリー前に決めておいた水準
に達したら、迷わず手仕舞う。
エントリー前に決めていない場合は、やはり相場状況
を考慮して、含み損が更に拡大すると判断した場合に
は損切りする。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~


大体こんな感じの答えになるのではないでしょうか?


私も、この回答例に異論はありません。
但し、この回答例のような裁量トレードをして収支を
プラスにしていけるトレーダーは、最短でも1年間は
実戦経験を積んだ「セミ・プロ」か、「既にプロ」に
限定されると思います。


まだ収支が安定せず、たまに週間プラス収支が起こる
程度で、大勝した翌週に大負けするのがパターン化し
ているレベルのトレーダーが、上記回答例のような
裁量トレードを行うと、裁量という思考の中に自身の
本能レベルの欲や恐怖が際限無く割り込んできて、全
体として豚のトレードになってしまう可能性が極めて
高いと考えます。


特に、


「相場状況を分析する」=「裁量」


という固定観念が豚トレードの根っこになっています。
パッと見た限りは正しいとしか思えないので、多くの
トレーダーの盲点に入ってしまっています。



生身の人間が、欲や恐怖で理性を最小化させる事なく
トレードを継続する為には、頭をフル回転して思考す
べき時と、規律に沿った売買注文に専念し、無駄な思
考を可能な限り止めるべき時とを明確に区別している
必要があります。
    ↑
   (重要)


頭をフル回転させて裁量を行うべきは、ポジションを
取る直前までです。
ポジションをこれから取る為に、できるだけ優位性の
高いタイミングやエントリーポイントを見つける事に
どれだけ思考しても、豚になる可能性は低いのです。


なぜなら、虎の子の資金はまだ安全な懐(ふところ)
の中にあって、リスクはゼロの状態だからです。
例外はあるとしても、リスク=ゼロの状態にあると、
人は冷静に思考できる可能性が高いのです。


ですから、ポジションを取る直前まで、エントリーの
優位性をしっかり評価すると同時に、エントリーした
後の損切りと利確のポイントを2つともセットで決め
てしまって下さい。(※)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これ(※)が、このメールの「要点」です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



現状、収支プラス達成を目指すレベルのトレーダーで
あるなら、ポジションを取った後の裁量は極力排除し、
エントリー直前に決めておいた2つの脱出ポイントの
いずれかで確実に仕切る事に集中するべきなのです。


さもないと、ポジションを取った状態では常に虎の子
の資金がリスクに晒(さら)されている為に、理性は
知らぬ間にどんどん縮小していき、思考の殆どが本能
の言うがままになっていってしまいます。


人間の本能は、トレードでは損するように働きます。
これはもう、ブログやメールで再三述べてきました。


だから、理性的な思考ができるタイミングで思考しつ
くし、理性が縮小してしまいがちなところでは思考を
極力止めて、予め理性的な時に決めておいた仕切りを
忠実に遂行する事のみに集中すればよいのです。



このメールで書いた事を実行すると、含み益が発生し
ている最中に、


「どこまで利が伸びるのか?」


というワクワク感に水を差してしまいますし、仕切る
時は利食いか損切りかの片方だけなのに、予め二つと
も決めておかねばならないという、手間が2倍になる
というデメリットを受け入れなければなりません。
(実際には、慣れれば瞬間的に決められるようになる
ので、大して手間が増える訳ではありません。)


だから、聞く耳を持った方だけ試してみて頂ければ十
分です。
トレードを楽しみたいのか、あるいは、お金を得たい
のか、一度よく考えてみて下さい。



(補足1)
ポジションを取っていない時でも、理性が縮小している
場合があります。それは例えば連勝の後とか、大敗を
喫した直後などです。(恋人に振られた直後も?)


特に大敗を食らった直後に、


「リベンジ!」


という言葉が頭に浮かんだまま目がすわって来たら、
要注意です。既に頭の中は「感情100%」であり、理性
は極小化しているので、更に負ける可能性が大です。


勝って気が大きくなっている場合も要注意です。
いずれにせよトレードは、トレーダーが冷静さを失った
時点で、勝ち目は殆どありません。



(補足2)
エントリー前に損切りと利確の二つのポイントを決めて
おいたのに、優柔不断な値動きとなって、長時間に亘っ
てどちらにもヒットしなくなった場合等の為に、1トレ
ードにかける事ができる時間に制限を決めておくと良い
でしょう。(例えば5分とか30分とか。)
どの程度の時間が最適かは、トレーダーの手法や性格等
も含めて総合的に判断して下さい。
但しこの判断も、リスクを取っている最中に行うのは
ご法度です。



(補足3)
エントリーする前に、どのようなロジックで利確と損切
のポイントを決めるのか?


これは、最初は大雑把でも構いません。
トレードで重要なのは、エントリーです。
一旦エントリーしてしまったら、どんなに思考してみた
ところで、最善の脱出ができる訳ではありませんから。


「利食いは難しい」


とよく言われますが、個々のトレードで毎度思考して、
最善の手仕舞いをしなければならないと思い込むから、
どんどん難しくなっていきます。
そして「難しい」と思いながら最善ポイントを求めて
思考しまくるから、知らぬ間に「損大利小」の傾向に
流されていってしまいます。


トレイリング・ストップにせよ、「抵抗線の手前」に
せよ、単純な計算で求められる値幅にせよ、自身が納
得できるルールを決めて、豚の思考が出てこない状態
での仕切りを繰り返してください。


それで例えば1週間トレードをしてみて、週末に日誌を
分析して、利益が最大となり損が最小となるような、
ルールを決めるのです。
これも立派な裁量なので、ポジションが無い時に行うの
が鉄則です。やりたければ毎日見直しても構いませんが、
あまり頻繁に修正すると自分がそれに慣れるのが大変だ
し、確率的な事が見えずらい欠点がある事もお忘れなく。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ルールの見直しと修正 => トレードでの厳守 


    ↑            ↓


トレードでの厳守  <=  ルールの見直しと修正
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


この無限ループを継続していけば、トレーダーの腕前は
着実に上がり続けます。
上達というのは、こうした無限ループの繰り返しから生
まれるものです。


そして最短でも1年間これを続ける事で、トレードに必
要な思考とは何かという事が、次第に見えてきます。


そうなれば、ポジションを取っている最中に思考しても、
それで直ちに豚に変身しないで済むようになります。