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トレードの核心3

頂いたメールをご紹介


前回は、負けトレードにも、勝ちトレードと同等に関
心を持ち、考えておく事の大切さについて書きました。


そんなことを考えているトレーダーなんて、あまりい
ないと思います。
でも、もしいたら、きっと手強いトレーダーに違いあ
りません。


スポーツでも、防御は攻撃と同等以上に大切です。
野球で強いチームは、必ず守備もしっかり訓練してい
ます。バッティング練習ばかりして、守備の練習を殆
どしていないチームがあれば、それはきっと弱いチー
ムに違いありません。


スポーツでも、囲碁や将棋でも、およそ勝負事なら、


「受け」


の研究は必須であると言えます。


もうかなり昔になりますが、輪島功一というプロボク
サーがいました。


「炎の男」


と呼ばれるほど根性のあるボクサーで、かなり遅いプロ
デビューであったにも関わらず世界チャンピオンになり、
しかも、防衛戦で王座から陥落しても諦めることなく、
何度も返り咲いている凄いボクサーです。


表面的にはトリッキーな動きと、ただただ根性があるだ
けのボクサーと思われがちですが、実はとてもクレバー
な選手なのです。
私がそれに気づいたのは、つい最近の事です。


ボクサーは、大きなサンドバックにパンチを打ち込んで
稽古するのは、誰でも知っていると思います。
しかし、輪島の稽古を見ていると、なぜかサンドバック
をしばしば空振りするのだそうです。(当時)
それを不思議に思った同僚が、なぜ目の前の大きなサン
ドバッグを空振りするのか輪島に質問したところ、


「おめえ、試合で自分のパンチが100発100中で相
 手に当たる訳がないじゃないか!
 むしろ殆どはかわされたり、スウェーされたり、防御
 される方が多いはずだ。
 だから俺は失敗パンチの、その次の次まで考えて稽古
 してるんだ。」


と答えたそうです。
私は武道の経験があるのですが、サンドバッグをわざと
空振りして、その次のパンチを打つ訓練なんて、一度た
りとも考えた事すらありません。
でも言われてみれば、とても理にかなった思考であり、
訓練法であると思います。


また別の深夜番組で、世界の珍・柔道家の特集をやって
いました。(「珍」といってもオリンピックレベル。)


その中で、東欧のどこかの国の選手なのですが、投げら
れても猫のように体勢を入れ替えて、投げを決めさせな
い選手がいました。柔道では、投げられて背中が畳に着
いて「一本」となるので、投げられても背中さえ畳に着
かなければ、投げられた事にならないのです。


だから練習では、わざと様々な投げ技で投げられ、普通
なら一本負けになる寸前のところで体を入れ替える訓練
を執拗に繰り返していたのです。
試合では、投げた方が「決まった!」と思って一瞬油断
するので、そこを切り返して勝ち進んでいたのです。


私は柔道の経験もあります。
しかし、投げられない事を意識する訓練はしましたが、
わざと投げられてから体を入れ替える訓練なんて、一度
たりとも考えた事すらありません。


だから私は平凡な選手だったのです。
特に弱かった訳ではありませんが、それは他のみんなも
平凡だったからです。
「世界」を睨むような選手とは比べるべくもないレベル
だったと言う事です。


トレードも勝負事に違いありませんから、ブタの群れか
ら抜け出したければ、勝ち方ばかり考えるよりも、


「受け」


について、とことん考え抜いてみる方が、案外得策かも
知れません。確実に少数派ですから。


「強いトレーダーは、上手に勝つよりも、
   上手に負けるトレーダーである。」


って、どこかで読んだり、聞いたりした事はありません
か?
私は何度もあります。

トレードの核心2

頂いたメールをご紹介


前回は、


「損切りは素早く、利確は遅く」


と、


「では、そのようにトレードしよう!」


の2行を獲得すれば、トレードで勝てると言う事と、
しかしこの事は本能と逆行した思考と行動を必要と
する為、単に自分の本能をねじ伏せるだけでは到達
できない、という事を述べました。


今回は、その方法について述べます。



人間の脳は、「好き」と「嫌い」をはっきりと区別
します。当然ですよね?


好きな事には徹底的に興味を持ち、情報を収集し、
出来る限り触れ合い、関わりを持とうとします。


例えばテレビに出てくるアイドルとか、映画スター
とか、ミュージシャンとか、特定の人物に強い好意
を持つと、その人物の事なら何でも構わないから徹
底的に知りたくなるし、収録があると知れば出かけ
ていきたくなるし、ファンとの交流の場があれば、
お金に糸目をつけずに参加したくなります。


一方、嫌いな事には、脳はサッパリ反応せず、当然
それについて深く考えるとか、情報を収集するとか、
覚えようとか、前向きに関わりを持とうとはしませ
ん。


例えば・・・
興味が無い事に対して、前向きに関わりを持とうと
しない事に、説明なんていりませんよね?



つまり人間には、勝ちトレードには猛烈に関心が有
るのに対し、負けトレードには全く関心が無く、
極力負けトレードから遠ざかろう、遠ざかりたいと
いう、抑えがたい心の傾向があります。


トレードで本当に勝ちたいと思うのなら、この心の
傾向に光を当て、負けトレードについても、もっと
知り、理解を深めようとする姿勢が必要になります。


人はみな、


「どうやったら勝てるか?」


にばかり興味を持ち、


「負けトレードとは、何か?」
「負けトレードは、何の為にあるのか?」
「負けトレードは、自分にとって必要なのか?」
「負けトレードと、どう付き合っていけば良いのか?」


といった事に意識を向ける人なんて殆どいません。
だからダメなんです。
群衆と同じ思考をしていてはダメなのです。


トレードを継続していくという事は、勝ちトレードと
負けトレードをランダムに繰り返していいくという事
です。
だから、勝ちトレードについて考えるのは当然ですが、
それと同じほど、負けトレードについても考え抜き、
理解している必要があります。



この記事は更に続きますが、次回までに負けトレード
について、考えられる限りの事を考えていて下さい。


トレードに詳しくなり、トレードでお金を得られるよ
うになる為には、勝ちトレードと同じほど、負けトレ
ードについても知っていなければなりません。


その為に、まず負けトレードについて興味を持つ事。
その入り口が、負けトレードについて考えてみる事
です。

トレードの核心1

頂いたメールをご紹介


私は、ブログやメールセミナーで、


『トレードで勝ちたければ、
 本能を克服しなければならない』


という主張を繰り返してきました。


人間の本能が「プロスペクト理論」に沿った行動を導
き、トレードを繰り返すほど損大利小傾向のトレード
によって損失ばかりが積み重なっていくのですから、
本能を克服しなければならないという結論が正しい事
は間違いありません。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「プロスペクト理論」についてご存じ無い場合は、
このキーワードで検索して、情報を頭に入れておかれ
る事をおススメ致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


しかし、その本能を克服した状態へと至る過程につい
て、誤解されている方も多いようですので、この点に
ついて書いてみます。



人間の本能は、想像以上に強力・強固なものであり、
それを意思の力でねじ伏せられると考えるのは、
本能に対して傲慢であるとさえ言えると思います。


「損切りは素早く、利確は遅く」


という事がトレードに必要であると知り、


「では、そのようにトレードしよう!」


と決心しただけで、人間の本能に根差した行動パターン
を修正する事は、ほぼ不可能です。


トレードは、そう単純なものではないので、


「損切りは素早く、利確は遅く」


と、


「では、そのようにトレードしよう!」


の2行で片付けられるものではありませんが、余計なも
のを削り取ってどんどんトレードを単純化していくと、
やはり上記の2行が、トレードで勝てるようになる為の
核心部分になると思います。


勿論、テクニカル分析の能力とか手法、市場に対する知
識や見識なども、トレードには欠かせません。
しかし、どんなにトレードに関する深い知識をもってし
ても、プロスペクト理論の部分が手付かずのままでは、
勝てるトレーダーになる事はできません。


では、トレーダーは上記2行に要約されたトレードの
核心部分を、いかにして獲得すれば良いのか?


次回に続きます。